医療法人社団ヤマナ会 東広島整形外科クリニック

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骨粗鬆症(こつそしょうしょう)と骨折予防

骨粗鬆症とは?

 

閉経や加齢あるいは、カルシウム不足や運動不足が原因で骨がもろくなり骨折しやすくなる病気です。(図1)

骨粗鬆症は年齢が高くなるにしたがって多くなり、60歳女性の3割弱

70歳以上の女性の4割以上が骨粗鬆症です。

(図1) 正常な骨(図左) 骨粗鬆症の骨(図右)

 


どんな人がなりやすい?


〇閉経後の女性

〇体格が細身

〇家族に骨粗鬆症と診断された人がいる

〇糖尿病、胃や腸の手術を受けたことがある

〇若い頃から月経が不順だった

〇牛乳や乳製品をあまり摂らない

〇小魚や豆腐をあまり摂らない

〇たばこをよく吸う

〇お酒をたくさん飲む

〇運動や体を動かすことが少ない

〇病気のためにしばらく寝たきりだった

 

 

症状は?

骨粗鬆症は「沈黙の疾患」と呼ばれ、気が付かないうちに少しずつ進行する病気です。骨折する危険性がいくら高くなっていても、それだけでは症状は現れません。

進行してしまうと、 

『若い時に比べて身長が低くなった』 

『背中や腰が曲がってきた』

『立ち上がる時に腰が痛い』 などの症状が起こります。

そして、ちょっとしたことで背骨の骨折、手首や肩の付け根の骨折が起こり、足の付け根の骨が折れると歩行ができなくなります。

 

 

診断のための検査は?

骨粗鬆症が少しでも疑われたら、骨密度の検査を受けてください。

骨密度検査は、痛みはなく短時間にできる簡単な検査です。

当院では、正確に測定できるDXA(デキサ)法を用いて、腰の骨と股関節の骨を測定し検査を行います。(図2)

検査時間は5分で、検査料金は保険の負担の割合で変わりますのでご相談ください。

(3割負担の患者様で1350円です)

(図2) 骨密度測定 DXA(デキサ)法

 

 

治療は?

治療では食事療法、運動療法のほかに薬物用法を行います。

骨粗鬆症の治療薬は、骨の量を増加させたり、骨を活性化させる働きがあります。

 

 

日常生活のアドバイス(骨を丈夫にする生活)

予防のためには適切な食事と運動を行います。

食事はカルシウム摂取を考えて「乳製品」「大豆製品」「小魚」「海藻類」を多く含んで好みに応じたメニュー作りをしてください。

一度に食べる量が少ない方は、カルシウムの多い間食を作ってみてください。

運動は、体力や持久力を増加するための有酸素運動(ウォーキング)や筋力を増やすための筋力増強運動(過去のコラム参照してください)など、体のバランスを整えて転倒を予防する体操を行います。

そして、家の中にこもっていないで、日頃からよく歩くようにしましょう。

 

 

定期的な検診を受ける

骨粗鬆症は知らないうちに進行するため、その予備軍となっている方々がとても多い病気です。

特に女性は閉経を迎えると卵巣の働きが低下し、女性ホルモン(エストロゲン)が低下します。

エストロゲンは古い骨を溶かし、新しい骨を作り、バランスがとれた骨代謝を行います。したがって、女性が閉経を迎えると骨が年々弱くなっていくのです。

ぜひ当院で、定期的に検診を受けて自分の骨折の危険性を知りましょう。

 

 

運動や体操をする時の注意

運動の適切な回数や時間には個人差があります。

特に心臓の病気、糖尿病、腰や膝の病気がある人は、主治医に相談をして運動をしてください。

 

 

 

参考文献 

骨粗鬆症と骨折予防 

鳥取大学医学部附属病院 萩野浩