医療法人社団ヤマナ会 東広島整形外科クリニック

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運動不足の行き着くところ~ロコモティブシンドロームを知っていますか?~

 4月中旬頃から新型コロナ肺炎によりstay homeと呼びかけられ、お家にいることが多くなったと思います。それにより、普段より身体を動かす量が減り、いざ動こうとしたときに身体が重たい・だるいなどと感じてはいませんか?運動不足が続くことで、筋力の低下や柔軟性低下などが起こります。また自分の身体を支えられない、運動意欲も低下していくなど、負の連鎖が続きます。これが続くとロコモティブシンドロームに近づいていきます。
 では、ロコモティブシンドロームとは何でしょうか?ロコモティブシンドローム(略してロコモ)とは、2007年に日本整形外科学会が提唱した「関節や筋肉・腱などの身体を支え、動かす役割をする部分に障害が起こり、日常生活に支障をきたしている状態」のことを言います。この状態が進行していくと、介護や介助が必要になる可能性が高くなります。
 では、なぜロコモになるのでしょうか?ロコモの原因には、運動器疾患(変形性関節症、変形性脊椎症、関節リウマチなど)と加齢による運動機能不全があります。どちらも、体力や持久力、バランス能力の低下などにより運動機能の低下が起こり、転倒しやすくなります。
 ロコモは推計患者数が4700万人とされており、国民病でもあるといえます。
 では、ここでロコチェックをしてみましょう。下記にある項目に1つでも該当すればロコモの可能性があり、運動を勧める基準のひとつでもあります。

(日本臨床整形外科学会のロコモパンフレットから抜粋)

ロコモは予防・早期発見・早期治療が重要ですので、対策としてロコトレ(ロコモーショントレーニング)を2つ紹介します。

 

〇スクワット
・椅子に腰かけるように、お尻をゆっくり下ろします。
・お尻を軽く下ろすところから始めて、膝は曲がっても90度を超えないようにします。
・ゆっくりと呼吸するペースで一度に5~6回行い、1日に3度行いましょう。

 

 

 

 

 

 

 

≪point≫
・お尻を下ろす際に膝がつま先より前に出ないようにします。
・膝の曲がる向きを足の第2趾の方向にします。
・足は踵から30度くらい外に開き、体重が足の裏の真ん中にかかるようにします。
・机や椅子などに手をついて行っても構いません。
※スクワットができない場合は、椅子に腰かけ机に手をついて、腰を浮かす動作を繰り返します


〇片脚片足立ち
・転倒予防として、必ず何かにつかまるものがある場所で行います。
・両目を開け、床に足がつかない程度に片足を上げます。
・これを左右1分間ずつ、1日3回行います。

 

 

≪point≫
・バランスが悪い場合は、軽く指や手をついても構いません。
・片手だけの支えが不安な場合は、両手をついても構いません。

 

 

 

ロコモティブシンドロームは、初期では日常生活への影響が小さいため、少し休めば大丈夫と思いがちですが、気づかないうちに活動性が低下し、徐々に身体が弱ってしまいます。
 ロコモに対して様々な運動が紹介されていますが、一番は運動を継続して行うことが大切です。
 当クリニックのFacebookや過去のコラムにも運動やストレッチなどを提案させていただいていますので、ぜひ参考にしてみてはいかがでしょうか?

 

参考文献
・日本臨床整形外科学会