ストレッチの効果とタイミング
☆ストレッチの効果とタイミング
「ストレッチ」と聞くと、どんな動きを思い浮かべますか?そして、どんな時に行うものだと考えていますか?
ストレッチは日本語に訳すと「伸びる、広がる、伸長する」といった意味があります。ストレッチを行うことで、筋肉や腱を伸ばして柔軟性を高め、コンディションを整えたり、怪我を予防したりします。生理学的には筋肉の緊張の緩和、関節の可動域の増大、疲労の回復などがあります。
実際にストレッチを行う際、「ここを伸ばすにはこのやり方で…」と決めて身体を動かすことが少なくないと思います。実はストレッチをするときには、伸ばしたい筋肉の始まりと終わりを引き離せば、立った状態でも座った状態でも動いている状態でもストレッチをすることは可能なのです。
方法の説明の前に、どのようなストレッチの種類があるか知っておきましょう。
☆静的・動的ストレッチ
ストレッチにはいくつか種類があります。伸長方法により大きく2種類に分類され、1つは静的なストレッチで、もう1つは動的なストレッチです。
静的ストレッチは、反動や弾みを付けずに、筋肉をゆっくりと伸ばして、その状態を20秒~30秒キープするようなもので、動的ストレッチは、反動や弾みを付け、関節を繰り返し動かすようなものです。
◎静的ストレッチの種類
・スタティックストレッチ
◎動的ストレッチの種類
・ダイナミックストレッチ
・バリスティックストレッチ
などがあります。また、1人で行うストレッチをセルフストレッチといい、自分自身以外にもう1人必要とする場合をペアストレッチングやパートナーストレッチといいます。
☆ウォーミングアップとクールダウン
ストレッチには特徴があります。静的は伸張反射(注1)が起こりにくく、筋肉痛になりにくい特徴があり、動的は伸張反射が起こりやすかったり、動きや力発揮をして筋肉や神経などに刺激を与えたりする特徴があります。
これらを踏まえると、ウォーミングアップには動的ストレッチ、クールダウンには静的ストレッチが適していると考えられます。(注2)
(注1)筋肉が急に伸ばされると、それ以上筋肉が伸びて傷つかないように、その筋肉を収縮させて保護しようとする反射です。
(注2)実際には様々な見解があり、必ずしも断定は出来ません。
☆ストレッチの例(太ももの裏)
太ももの裏にはハムストリングスと呼ばれる大きな筋肉があります。この筋肉はお尻から膝の下までついており、股関節を伸ばして膝を曲げる作用があります。筋肉の始まりと終わりを伸ばすことを考えると、この筋肉の作用の逆に動かせば筋肉が伸びます。ハムストリングスの場合では、股関節を曲げて膝を伸ばす動作を行います。
◎静的ストレッチ
1、椅子に座った状態で伸ばす。
・背筋を伸ばしたまま身体を前に倒す。
・太ももの裏が伸びたところでキープ。
2、立った状態で伸ばす。
・伸ばしたい方の足を後ろにして足をクロスさせる。
・お尻を突き出すようにしながら、背筋を伸ばして身体を前に倒す。
◎動的ストレッチ
・伸ばしたい足の反対の手で壁等の支えを持つ。
・前後に足を振る。(始めは小さく、徐々に大きく)