健診における放射線の利用と安全性について


みなさんは病院などでレントゲンやCT検査を受けたことがあるでしょうか。これらの検査では放射線を使用しています。放射線を使った検査は、私たちの体の中を見ることができるため、病気の診断に大変役立ちます。しかし、放射線を浴びることへの不安を感じる方もいらっしゃるかもしれません。ここでは、医療で使われる放射線について、分かりやすく説明します。

 

放射線ってなんですか?

 

放射線は、私たちの周りに常に存在しています。

太陽や宇宙から降り注ぐ宇宙線、大地から出る放射線、食べ物に含まれる放射性物質など、自然界にも様々な放射線があります。日本人は自然から年間約2.1ミリシーベルト(放射線の量を表す単位)の放射線を浴びているといわれています。

 


放射線は健康にどれくらい影響がある?


病院での検査で使われる放射線の量は、通常、自然から受ける放射線量と比べてそれほど多くありません。

例えば当センターで行われる検査においては、

– 胸のレントゲン撮影:約0.06ミリシーベルト

– マンモグラフィ:約0.1ミリシーベルト

– 胃バリウム検査:約3ミリシーベルト

– 胸のCT検査:約2.4~12.9ミリシーベルト

(これらの被ばく線量は体格などによっても変わります)

これらの量は、一度に受けても健康に影響を与えるレベルではありません。とはいえ、放射線を浴びると、体の細胞が傷つく可能性が少なからずあります。しかし、私たちの体には傷ついた細胞を修復する力があります。少量の放射線であれば、ほとんどの場合、体が自然に修復してくれます。

検査を受けるかどうかの判断

医療で放射線を使う際は、その検査で得られる利益(病気の早期発見など)が、放射線を浴びることのリスクよりも大きいと医師が判断した場合に行われます。

ただし、必要のない検査を繰り返し受けることは避けるべきです。特に、若い方や妊娠中の方は放射線の影響を受けやすいので、より慎重に判断する必要があります。

例えば、長年喫煙してきた方は肺がんや肺気腫などのリスクがあり、それらの病気の早期発見のために胸部のCTを受けることには被ばくリスクを超えるだけのメリットがあるといえます。一方でそういったリスク要因がない若い方が毎年なんとなくでCT検査を受けることは避けるべきといえます。

とはいえ、自分はどうするべきかの判断がつかない方もいらっしゃると思いますので、そのような時はお気軽にご相談いただけたらと思います。


少しでも心配な時はお気軽にご相談ください

医療被ばくは、適切に管理され、患者さんの利益が十分に考慮された上で実施されます。

一回の検査で受ける放射線量は、通常、健康に影響を与えるレベルではありません。しかし、不要な検査を繰り返し受けることは避けるべきです。

医療被ばくに関して不安がある場合は、担当の医師や放射線技師に相談してください。検査の必要性や代替手段の有無について、専門家の意見を聞くことが大切です。

適切な医療を受けることで得られる利益は、多くの場合、放射線被ばくのリスクを大きく上回ります。過度な心配をせず、必要な検査は適切に受けていただくことをお勧めします。

 

 

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