全身性硬化症とも呼びます。皮膚が硬化して来る病気で皮膚科の病気と思われていましたが、肺、腸管系に病変がみられ内科(リウマチ科)で扱います。原因は不明ですが免疫の異常により炎症がおこり、皮膚の細胞が膠原線維を活発に産生するため病気が進行すると考えられます。 レーノー現象(寒<なると指先が白くなる状態)ではじまり次第に皮膚が硬化してきます。肺、消化器などに病変が及ぶこともあります。
時には自然に症状が軽くなり皮膚の硬化もゆるんで来ることがあります。また、皮膚の一部に境界がはっきりと硬化巣が限局して来ることがあります。限局型強皮症と呼ばれ内臓病変などは伴わず、全身性強皮症と区別されます。 強皮症に確実に効果する薬物はほとんどありませんが、進行性の肺病変に対してオフェブ(ニンテダニブ)、セルセプト(ミコフェノレートモフェチル)が使用できるようになり選択肢が増えてきています。
血流をいかに保つかが本症の治療で最も大切です。当院では積極的にPGI2製剤をはじめとする血管拡張剤を早期から使用するようにしております。自己抗体では抗Scl-70抗体や抗セントロメア抗体、抗RNAポリメラーゼ3抗体など出現します。 *CREST症候群 抗セントロメア抗体陽性の強皮症のなかで、C: Calcinosis(皮下石灰沈着)R: Raynaud(レーノー現象)E:Esophageal dismotility(食道ぜん動低下)S: Sclerodactyly(手指硬化症)T: Telangiectasia(毛細血管拡張)といった症状を呈する症候群をこのように呼びます。
大基準を満たさない場合は,小基準の①かつ②~④のうち1項目以上を満たすものを強皮症と判断する。
注意!!分類基準はあくまでも目安に過ぎません、早期の症例では基準を満たさないことは多くあります。しかし、早期に治療することで重症化せずにすむ場合も多いので疑わしければ受診するようにしてください。