足を捻った!こんな時どうする!?
日常生活において、足を捻ってしまった経験はありませんか?
また、この時に患部が熱っぽくなり、赤く腫れ上がったことはありませんか?
“足を捻ったくらいで・・・”という考えから、放ったらかしにしてしまうということを私たちはよく耳にします。確かに軽度な捻挫であれば、放っておいても時間の経過とともに腫れや痛みは引きますが、損傷の程度などによっては違和感や不安定感が生じます。慢性化してしまうと、将来的に変形性関節症となる場合があり、関節可動域の低下や痛みを伴い歩行が困難となることがあります。またスポーツなどしている方にとっては、パフォーマンスの低下を引き起こし、思うようなプレイを行うことが難しくなることもあります。
今回はそんなときの対処法をお伝えしたいと思います。
足を捻ったり、ぶつけたりすることにより患部が熱っぽく、赤く腫れ上がった状態を「炎症」といいます。
これは、内部の組織が傷つき、毛細血管から出血が生じている状態です。
こんな時に直ちに行うべき処置として“RICE処置”という用語が私たちの間では一般に使われています。
これは、R:rest(安静)、I:ice(冷却)、C:compression(圧迫)、E:elevation(拳上)の頭文字をとった用語で、炎症初期にすべき行動です。
① 患部を高い位置に置きます(拳上)。
② その後、患部をパッドや包帯で圧迫し(圧迫)、極力患部を動かさないようにします(安静)。
③ 氷で患部を冷やします(冷却)。この時氷は袋に平らに敷き詰め、接触面積を広げます。冷却時間は20分、可能であれば2時間に1回行ってください。氷を患部に当て、伸縮性の包帯やバンドで圧迫固定し、枕やクッションで足を高い位置で保持できるようにします。
④ 寝る際にも患部に配慮し、心臓より高い位置に保ち、圧迫固定をしたまま就寝します。
⑤ ①~④を24~72時間繰り返します。
この処置は、患部への流血を最大限に抑えるための行動で、予後を良好なものにするために必要です。
しかし、捻挫、肉離れ、打撲、脱臼、骨折など、実際にどのような怪我なのかは医師にしか診断はできないため、上記のような怪我が疑われる場合はすべてアイシングが必要になります。このような事態になった場合には、できる限り早めにRICE処置を行い、医療機関を受診しましょう。
参考文献 スポーツアイシング 山本利春 吉永孝徳