育成年代のサッカー選手に多い障害(10):足底腱膜炎
今回は、サッカー選手のみならずスポーツ選手に多く発生する足底腱膜炎を紹介します。足底腱膜炎とは、足の裏の筋肉の腱の炎症をさします。主な症状としてはかかとを地面につけた時に痛みを感じます。特に運動開始直後、さらには起床して体重をかけ始めるときに痛むのが特徴です。また、切り返しやターンなど速い動きを行ったときには腱が切れるのではないかと思うほど強い痛みを感じる場合もあります。
足底腱膜炎の原因となるのは、かかとの骨から指の付け根にかけて存在する足の裏の筋肉の断裂や炎症です。足の裏の筋肉は、飛んだり走ったりすることで足が受ける衝撃を吸収する役目を持っています。それが、長い時間走ったり急激な切り返しやターンを行い足を酷使することで発生することが多く、全てのスポーツ選手が足底筋膜炎を発症する可能性を背負っているといえます。また、体重が増えることによる足への負担の増大、靴底が固い靴の使用や疲労によるアキレス腱の緊張なども発症の原因になることがあります。
予防としては、基本的にふくらはぎや足の裏の筋肉のストレッチ、足底腱膜への負担を減らすインソール購入などがあげられます。またシューズの弾力性の低下は足底腱膜への負担を大きくすると考えられることや土踏まずが高い足、扁平足などの足の形態に問題がある選手には足底腱膜炎が起こりやすい傾向にあるため、早めに近くの整形外科に相談に行くことが重要になります。足底筋膜炎の自然完治は個人差がありますが早ければ数ヶ月、長くて数年掛かるケースもあるので、早め早めに対応していきましょう。