医療法人社団ヤマナ会 東広島整形外科クリニック

診療受付時間 9:00〜12:3015:00~18:30 土 9:00〜12:30 ※第1・第3
休診日 / 土曜日( 第2 ・第4 ・第5 )・日曜日・祝日

082-431-3500

メールでお問い合わせ

健康に長生きするために ~骨粗鬆症と予防~

 以前のコラム(2020/09/28にて骨粗鬆症の簡単な説明はさせて頂いたので、今回はより具体的な骨粗鬆症予防についてのお話しをさせていただこうと思います。

  (2020/09/28)コラムのリンク:https://hmh.or.jp/seikei/?p=3334&preview=true

 

○そもそも骨粗鬆症とは?

 私たちの骨は外側にある皮質骨と内側にある海綿骨の2層構造になっています。そして骨は強度としなやかさの両方を保つために常に骨の再構築をおこなっています(これを骨のリモデリングといいます)。「破骨細胞」が古い骨を破壊する役割を果たしており、「骨芽細胞」が新たな骨を作る仕組みになっています。

 骨粗鬆症というのは、加齢などにより、骨芽細胞の働きが弱くなったことでリモデリングのバランスが崩れてしまい、海綿骨(骨の内側)の骨量が減ってスカスカになる病気です。

 

 人の骨の量は30代前後をピークにそれ以降減少します。特に、閉経後の女性では骨を壊れにくくする働きをしていた女性ホルモン(エストロゲン)が極端に少なくなるため骨の量が急激に低下します。そのため、私たちが長く元気に生きていくためには、骨粗鬆症の予防が必須になってくるのです。

 

 

 

 

 

 

 

 

骨粗鬆症を予防するための食事と運動

○骨粗鬆症に効く食品

カルシウム

 牛乳などの乳製品に豊富に含まれており、骨の元になります。骨粗鬆症ガイドラインでは1日800g程度の摂取が勧められています。

ビタミンD

 魚や干し椎茸などのきのこ類に豊富に含まれており、腸内でカルシウムの吸収を助ける効果があります。皮膚に日光を浴びることでビタミンDの合成が始まるので、外出や日光浴をすることで得られます。

ビタミンK

 海藻や納豆などの大豆製品に豊富に含まれており、骨芽細胞を活発化させる効果があります。血液を固まらせる効果もあるので、心臓や

血管性の持病がある方はかかりつけの医師にどのくらいの量を摂取していいのか相談するのをお勧めします。

 

 

 

 

 

 

 

 

※過剰摂取でカルシウムの吸収を邪魔するものに注意!

・リン(加工食品や、一部の清涼飲料水に多く含まれています。)

・アルコール

・カフェイン(コーヒー、紅茶)

 上記以外にも、喫煙はカルシウムの吸収を妨げることがわかっています。

 

○骨粗鬆症に対する運動

 運動をすることで骨に振動が伝わり、その負荷に合わせて身体は丈夫な骨を作ろうと働きます。つまり、食事から栄養を取るだけでは丈夫な骨は作られないという事です。散歩や軽い運動でも効果があるため、まずは毎日体を動かすことが大切になってきます。視力低下や足腰が弱くて転倒の危険があるという方は、窓際で日光を浴びながら、椅子などに座った状態で足踏みなどの運動を行ってみることをおすすめします。

 骨に対する運動の効果としては、

  • カルシウムを骨に集める
  • 血流をよくして骨が作られるのを助ける
  • 筋肉が鍛えられ転びにくくなる             などがあります。

 

※運動の仕方が分からない場合は、リハビリ担当のスタッフに聞いてみて頂ければと思います。また、当クリニックでは、火曜日金曜日にトレーナーによる体操教室が行われていますので、興味がある方はスタッフまでお声かけ下さい。

 

○参考文献

折茂 肇 編集 「骨粗鬆症の予防と治療ガイドライン」 日本骨粗鬆症学会

貴邑 冨久子 他 「シンプル生理学 改訂版6版」