医療法人社団ヤマナ会 東広島整形外科クリニック

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え⁉脚がパンパン‼ ~浮腫について~

 今年も終わりが近づき、段々と肌寒くなってきました。気温が下がってくると、なかなか身体を動かす意欲も無くなってくる方が多いのではないでしょうか。動かす頻度が減ってくると、足の重だるさや冷感を感じる方がいるかと思います。それはもしかすると、浮腫が起こっているのかもしれません。
 

 浮腫は全身性と局所性の2種類に分類されます。
〇全身性:①心性浮腫…うっ血性心不全からくる下肢に多い浮腫。

     ②腎性浮腫…腎障害から起こる。

     ③肝性浮腫…肝硬変の進行により起こる。

     ④内分泌疾患に伴う浮腫…体内へのナトリウム貯留による。

              ⑤特発性…原因不明。                   

              ⑥薬剤性浮腫…薬の副作用による。                     

              ⑦低栄養など

 

〇局所性:①静脈浮腫…一次性下肢静脈瘤(妊娠や立ち仕事により表在静脈の弁が荒廃する)

              ②リンパ浮腫…リンパ流の阻害と減少のために生じる。

              ③血管浮腫:原因不明

 浮腫とは、一般的に身体の中の水分代謝が乱れ、組織間液が異常に増え、皮下組織に細胞外液が過剰に貯留した状態のことです。

 浮腫になる原因として、長時間同じ姿勢でいること(立ちっぱなしや座りっぱなしによる)で、脚の筋肉が硬くなったり、重力により末梢部分の血流やリンパの流れが滞りやすくなることがあります。

 特にリンパ浮腫はリンパの流れの改善などにより、症状の改善が期待できます。ただし、複合的治療が必要になります。

 

 複合的な治療とは

・理学療法場面での徒手療法

 

 

 

 

 

 

 

 

・弾性ストッキングの着用

 

 

・日常生活の中で患肢の繰り返しの挙上

10回/3セットくらいを毎日行いましょう。

 

 リンパ浮腫以外でも、上に挙げた複合的な治療は一時的な浮腫の軽減には効果があると考えらえます。しかし、原因疾患の治療を行わない限りは、根本的な改善は難しいので注意が必要です。

 その他にもスキンケアなどを行って皮膚の状態を清潔に保つことも重要です。

 

 まずは手足がだるい、圧迫すると一定時間押した跡が残るなどの症状がある場合は、何らかの原因により浮腫が起こっていることが疑われますので、まずはかかりつけの医者に相談していただくことをお勧めします。

 

 

参考文献
1)永井 利幸他:病気がみえる循環器第4版:メディックメディア