リウマチ性多発筋痛症(PMR)

高齢者に発症する二の腕や肩、太ももの筋肉痛を主体とする疾患。急に発症することが多く、認知症のある高齢者に発症した場合は急に元気がなくなった、動けなくなった、のみが症状の事もある。血液検査で炎症反応が認められ、ステロイド剤による治療が劇的に効くことも特徴の一つです。側頭動脈炎(症状:頭痛、多様な眼の症状、顎跛行、など)という血管炎を合併することがある(25%とされている。)。側頭動脈炎を合併している場合は失明の危険性もあるため高用量のステロイド剤で治療を開始する必要がある。その他の血管炎症候群、高齢発症の関節リウマチなどの初期症状として同様の症状を来たすことがあり経過をみる必要がある。

【診断基準】

リウマチ性多発筋痛症(PMR)の分類基準 (ACR/EULAR 2012年)

50歳以上、両側の肩の痛み、CRPまたは血沈上昇を認める場合において 下記のスコアリングを用いて分類する。
  • 45分以上の朝のこわばり 2
  • 殿部痛または動きの制限 1
  • RF陰性、ACPA陰性 2
  • 肩と腰以外の関節症状がない 1
  • 関節エコー(US)で、肩および股関節の滑液包炎 1
  • 関節エコー(US)で、両側の肩の滑液包炎 1
スコア4点以上(USなし)、5点以上(USあり)で分類。
USでは、三角筋下滑液包炎、二頭筋の腱鞘滑膜炎、肩甲上腕筋の滑膜炎、股関節滑膜炎、転子部の滑液包炎を確認。

PMRの診断基準(本邦PMR研究会1985年)

  1. 赤沈の亢進(40mm以上)
  2. 両側大腿部筋痛
  3. 食欲減退、体重減少
  4. 発熱(37℃以上)
  5. 全身倦怠感
  6. 朝のこわばり
  7. 両側上腕部筋痛
60歳以上、3項目以上で確定とする

PMRの診断基準(Birdらの基準1979年)

  1. 両肩の疼痛、および/またはこわばり
  2. 2週間以内の急性発症
  3. 赤沈の亢進(40mm/時以上)
  4. 1時以上持続する朝のこわばり
  5. 65歳以上
  6. 抑うつ症状および/または体重減少
  7. 両側上腕部筋の圧痛

上記7項目のうち3項目を満たす。

注意!!診断基準はあくまでも目安に過ぎません、早期の症例では基準を満たさないことは多くあります。しかし、早期に治療することで重症化せずにすむ場合も多いので疑わしければ受診するようにしてください。