混合性結合組織病(MCTD)

全身性エリテマトーデス(SLE)、強皮症(SSc)、多発性筋炎(PM)が混じり合ったような症状を示します。1972年シャープという人がこの病態では抗RNP抗体が陽性で高値であると報告しました。3者のいずれとも決めがたく、指がソーセージ状に腫れるのが特徴といわれていますが、個々のケースでは関節リウマチが加わったような病態まで幅があります。
 予後は肺高血圧を伴うとよくありません。治療はステロイドホルモン、免疫抑制剤が中心で、その他は対症療法です。この症候群の肺病変は、いわゆる全身性強皮症の肺病変に比べると治療に反応しやすい傾向があります。

【診断基準】

全身性エリテマトーデス,強皮症,多発性筋炎などにみられる症状や所見が混在し, 血清中に抗U1RNP 抗体がみられる疾患である。

2 共通所見
①レイノー現象 ②指ないし手背の腫脹
3 免疫学的所見
抗U1RNP 抗体陽性
4 混合所見
(1) 全身性エリテマトーデス様所見
① 多発関節炎
② リンパ節腫脹
③ 顔面紅斑
④ 心膜炎又は胸膜炎
⑤ 白血球減少(4,000/㎕以下)又は血小板減少(10 万/㎕以下)
(2) 強皮症様所見
① 手指に限局した皮膚硬化
② 肺線維症,拘束性換気障害(%VC=80%以下)又は肺拡散能低下(%DLco=70%以下)
③ 食道蠕動低下又は拡張
(3) 多発性筋炎様所見
① 筋力低下
② 筋原性酵素(CK 等)上昇
③ 筋電図における筋原性異常所見
5 診断
(1) 2 の1 所見以上が陽性
(2) 3 の所見が陽性
(3) 4 の(1),(2),(3)項のうち,2 項以上につき,それぞれ1 所見以上が陽性
以上の3 項を満たす場合を混合性結合組織病と診断する。
付記1 抗U1RNP 抗体の検出は二重免疫拡散法あるいは酵素免疫測定法(ELISA)のいずれ
でもよい。ただし,二重免疫拡散法が陽性でELISA の結果と一致しない場合には,
二重免疫拡散法を優先する。
2 以下の疾患標識抗体が陽性の場合は混合性結合組織病の診断は慎重に行う。
① 抗Sm 抗体
② 高力価の抗二本鎖DNA 抗体
③ 抗トポイソメラーゼⅠ抗体(抗Scl-70 抗体)
④ 抗Jo-1抗体
3 肺高血圧症を伴う抗U1RNP 抗体陽性例は,臨床所見が十分にそろわなくとも,混
合性結合組織病に分類される可能性が高い。

注意!!診断基準はあくまでも目安に過ぎません、早期の症例では基準を満たさないことは多くあります。しかし、早期に治療することで重症化せずにすむ場合も多いので疑わしければ受診するようにしてください。